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Design Principles

デザインとは単に物の形を操作することではなく、機能・生産性・コストといった技術面に加え、美しさや新しさという文化面、ものの果たす社会的役割という側面があります。またオリジナルなデザインは作り手との対話、幾度にも及ぶ試行錯誤によって生み出されるものだと考えています。

私たちはベストセラーよりもロングセラーを、長く生き残るデザインを生み出すことを理想としています。
私たちはデザインに関する数多くのポリシーを持っていますが、その中から重要でありながら誤解されやすい、見落とされやすいポリシーについていくつか触れておきたいと思います。

  • シンプルであること

    デザインのスタートには観察という行為があります。身の回りで起きている様々な事柄を緻密に観察することによって、新たにデザインを行わなければならない理由が明らかになります。観察が緻密さを増して要求が次々と現れてくるなかで、デザインの結果をシンプルに留めることは、大変難しいことです。あれもこれも詰め込みたい、飾り立てたいという欲求の中で引き算を行うという強い決意が必要です。なぜなら余計な装飾を取り去ったシンプルで美しいデザインは息の長いものになると私たちは経験的に知っているからです。

  • 理由があること

    デザインはリーズナブル(理由がある)でなければいけません。リーズナブルは価格が安いという意味ではなく、目的に対してどのような解決方法を用いたのか、製造方法に対してフィットしているか、全体の中でのポジションをどう採ったか等、良きデザインは見ただけでそのデザインの理由がわかります。良きデザインはコンセプトが明快であるということです。

  • 魅力的であること

    デザインはただ形がシンプルであればいいということではなく、美しさを伴った魅力が必要です。個性とも言えます。これは言葉で表現するのは難しい、最も誤解されやすい概念でもあります。

    シンプルさは常に模倣の危険に晒されています。多くの事例で、それを避けるために差別化と称する何らかの加飾が行われデザインを台無しにしているものが見受けられます。
    私たちの経験によれば、デザインの魅力はもっと根元的なところから来ており、それはコンセプトで得られる場合もあれば、大きさ・プロポーション・色彩・素材感・形状といったとても基本的なことを地道に詰めていくことで得られる場合もあります。

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